政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 航君のご両親にやっと認めてもらえたあの日、私は突然の腹痛に襲われて意識を手放した。目を覚ましたら病院のベッドの上で、航君たちはもちろん、連絡を受けて伯父も駆けつけていた。

 航君とデート中に神屋敷さんと会い、彼女に言われた言葉がずっと心に引っかかっていて、モヤモヤしながら過ごしていたから、自分でも気づかないうちにストレスを溜め込んでいて、胃腸炎かなにかかと思った。

 でも実際に医師から言われたのは、思いもよらぬ懐妊だった。誰もが喜んでくれて、伯父も少し泣いたのか目が赤かった。

 最初言われた時は実感が湧かなかったけれど、航君とともにエコー写真を見せてもらい、順調に育っていると聞いて本当にお腹の中に航君と私の赤ちゃんがいるんだって実感できた。

 だけど今回倒れたのは、過度のストレスからだと言われ、航君共々お医者さんからできる限りリラックスした状態で、安定期に入るまでは無理なく過ごすようにと注意を受けた。

 それを聞いてか航君は過保護になってしまったのだ。まず家事をさせてくれなくなった。

 彼の実家の家政婦を呼び、身の回りのことをすべてやってもらっている。一緒に過ごしていると、私が歩くだけで心配する始末。
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