政略懐妊~赤ちゃんを宿す、エリート御曹司の甘く淫らな愛し方~
 航君って頭を撫でるのがクセなのかな? 私、よく撫でられているよね。

 もちろん悪い気はしない。むしろ心地よいというか、嬉しいというか……。

 なんてことを思っては恥ずかしい気持ちでいっぱいになり、急いで立ち上がる。だけどすぐに身体中が重くてベッドに座り込んだ。これが航君と結ばれた証拠。

「妊娠って一回でするものなのかな?」

 おもむろに触れるのは自分のお腹。たしか言い伝えでは、私の二十歳の誕生日に身体の関係を結び、子を宿せばいいんだよね? そうすれば庵野家に繁栄をもたらすって。

 昨夜の行為で妊娠したかどうかわかるのはまだ先だけど、それがわかるまでは落ち着かないかも。

 航君のために私ができることっていったら、言い伝え通りに妊娠することしかないから。

 再びゆっくりと起き上がり、バスローブを纏ってバスルームへと向かう。

 どうやら航君がホテルスタッフにお願いしてくれたのか、新しい着替えが用意されていて、浴槽の湯も入れ替えられていた。至れり尽くせりで申し訳ないくらいだ。

 熱いシャワーを浴びながらふと、鏡に写る自分の身体を二度見してしまう。

「嘘、これって……」

 首筋から太腿にかけて、虫刺されのような赤い痕がついていた。これはキスマークってやつだよね? それが至るところに付けられている。

「航君、どれだけ付けたんだろう」
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