私は天使に侵されている
それから暴走族のみんなでよく行くという、丘の上に向かった一行。

「気持ちいいね~」
美麗が目を瞑り、大きく息を吸った。
「でしょ?
よくみんなで来てたんだぁ!」
「そうなんだぁ!」

「ここはずっと変わらないなぁ。
最初はよく四人で来てたよなぁ!」
「そうね!あ、ここで夜に花火してたよねぇ~!」
「あ、そうそう!
春作が、はしゃぎすぎて火傷したんだよなぁ(笑)」
「フフ…思い出したぁ(笑)!」
「笑い事じゃねぇよ!マジで、痛かったんだから!」
来夢は健悟や令子、同じく中学からの友人春作と笑いながら昔話に花を咲かせた。
来夢、健悟、令子、春作は、中学からずっと一緒で、いつも四人でいた。

美麗は話に入れず取り残された気分になり、少し輪から外れた。
まだ肌寒い季節の3月。
もっと上着着てくるんだったなぁと思いながら、美麗は身体を縮こませ来夢達を見ていた。

令子はそんな美麗の姿を横目に、さりげなく来夢に近づいた。
「来夢~!
また花火しようよ!
もう少しで日が暮れるから、花火買ってきてさ!
下の店なら、年中花火売ってるし!」
来夢の服を握り、甘えるように上目遣いで言った令子。
「………」
「ねぇ~来夢~!」
更に令子は、腕に巻きつくようにしがみついた。

美麗は、心にモヤモヤしたものを感じていた。
“来夢の彼女は私なのに……”
と下唇をキュッと噛んでいた。

「来夢!!」
とにかく、来夢を自分の方に振り向かせたくて名前を呼んだ美麗。
「ん?美麗?」
「花火買うなら、一緒に行こ?」
そう言って、令子の反対側から来夢の手を握った。

そんな美麗の姿に来夢は、心がドクンと高鳴った。
「可愛い~////美麗!
うん!!
“二人で”行こう!!」
令子の手を振り払い、美麗の手を握り返したのだった。
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