私は天使に侵されている
「え!?ほんとに!?」
そこで、手を離した来夢。

「ゲホッ!!ゲホッ!!オエッ!ゴホッ!!」
解放された鳥部は、何度もえずくように咳をしている。
「ほんとに?
“何でも”聞くの?」
来夢は美麗に向き直り、とても嬉しそうに言った。

「うん…仕事も辞めて、ずっと来夢の傍にいるよ。
だから、もうこんなこと……やめて…!」
来夢を見上げ、苦しそうに顔を歪めて言う美麗。

「うん!わかったぁ!
…………じゃあ、帰ろ?」
ニコッと微笑み、美麗の手を掴んだ。
「うん…ここの片付け……
そもそも、こんなの犯罪……いや、何もない……」

そこまで言いかかって、美麗は言うのをやめた。

きっとこの現状は、杉宮や他の夢野の人間が良いように始末をつけるだろう。
美麗は来夢の手を握り返し、おとなしく従ってバイクに乗り込んだ。

マンションに帰りつき、案の定美麗は来夢に抱かれていた。
「んんっ…んぁ……来、夢…も…だめぇ…」
「まだまだ終わらないよ?
もっと、もっと…僕のモノだって、刻みつけないと……!」
「お願……ほんとに…身体が……」
「美麗、僕のこと好き?」
「好き…だよ…」
「僕も大~好き!
美麗の為なら、何でもしてあげる!
でも美麗は、僕から放れないでね!
少しでも放れたら、とんでもないことが起き続けるからね!」

「うん…わかった。
もう、放れないよ?
ずっと……傍にいるよ」

このまま……死んでしまいたい……

美麗は、来夢の激愛を受けながらボーッとそんなことを考えていた。
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