たぶん、きっと、すき。

 ハルが珍しく言葉に詰まる。

 一瞬ハルは目を伏せてから、またいつものように笑った。

「俺ら、友達だろ!」

 ねえ、ハル。

 ありがとうね。

 そして、ごめんね。

 本当は少しでも打ち明けられたらよかったのに、何も言えなくて。相談に乗ろうとしてくれてるのに、ちゃんと頼りきれなくてごめんね。

 中途半端に頼ってごめんね。

 日付が変わった。

 ハルは言った通りずっとそばにいてくれた。朝になっても夕方になっても、夜になってもずっとそばにいてくれた。

 その日が終わるその瞬間まで、ちゃんとそばにいてくれた。

 そして私はハルのおかげでその日を超えることができた。



 見ないふりをした。

 本当は少し気づいていたはずなのに。

 ハルが言いかけてやめた言葉の続き。

 なんとなくわかってしまったのに、何も知らないふりをした。

 だってこの関係が心地いいから。今の私にとって、この関係が全てで、これ以上でも以下でもなく、この状態で居たかったから。

 自分勝手な願い。

 ハル。

 ハル。

 私たち、友達だよね?

 これからも友達でいれるよね?

 友達で、居てくれるよね?




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