無彩色なキミに恋をして。

「好きです…緋奈星さま」


思いも寄らなかった告白と触れられている手が耳を掠めるから、わたしは今
夢を見ているんじゃないのかなって
そんなことを考えてしまうほど、暖かい愛に包まれている。

「わ…たし、も…」

本当はもっとたくさん気持ちを伝えたいのに
あまりに嬉しい気持ちが大きすぎてカタコトになってしまう。

それでもちゃんと言葉にしないと、と
必死に声を絞り出した。


「大好きだよ、燈冴くん…」



穏やかな表情の中に真剣さがあって
その瞳から目を逸らせない。
捉えらたまま固まっているわたしに近付く燈冴くんの顔。

その自然な流れに、目を閉じて応える。

ようやく気持ちが通じ合ったんだと
このとき初めてわかる、優しい口づけ。

もう何度目かの涙が頬を伝う。
でもこれは、悲しいんじゃない。
幸せ過ぎるから…

燈冴くんのわたしの腰にまわされた手
それに応えたくて彼の背にわたしも掴む。

キスをするたび、
お互いの抱きしめる力が
離れたくないと強くなっていった―――――


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