思っていたのと 違うのですか‼︎

7-1



 1ヶ月、3ヶ月、半年と時間はあっという間に流れていく。

 どんなに時間が流れても私の生活リズムは変わる事がなく、平穏な時間が心地いい。
 
 
「で、気が付けば、一年が経ったと」

ちゃっと、いや相当ガラの悪い男は、私の話を聞き出すと、楽しそうに笑う。

「こっちとしては、大助かりだけどな」

私が差し出した封筒の中身を軽く確認すると満足そうに言った。

 でしょうね‼︎と見つめると、

「まぁ、好きなのを食え‼︎」店員を呼ぶ。

笑いを提供出来て良かったです。

店で1番高そうなモノを注文して頬張る。

「この後、どうするんだ?」

スマホを弄りながら聞いてくる辺り、さほど興味がないのだろう。

「用事がないなら、家まで送るぞ」

私をサボる口実にしないで頂きたい。

「いえ、この後悠仁さんと約束がありますので。よろしければ、ご一緒なさいますか?」と言えば、

「誰が行くか」と物凄く嫌な顔をしている。

 でしょうね。

「そこ以外で行きたい所があったら、言え。都合を付ける」と優しいお言葉を貰っていると

「お待たせしました」と大型犬みたいな青年が合流する。

「先に渡しときますね」と重そうな紙袋を私に差し出す。

ドンとなかなかいい音を出す。中身を確認。

「ありがとう‼︎ずっと探してたの‼︎」

大型犬を可愛がる要領で、頭をわしゃわしゃする。

「これ、すごく重たいですけど。家まで届けますか?」

 コテっと首を傾げる大型犬。

可愛い。大型犬が飼いたい!

「大丈夫。ここ、ベリーヒルズ内だから、インフォメーションに持っていけば部屋まで運んでくれるの‼︎」

最近、知った便利なシステム。

重い荷物を運んでいたら、コンシェルジュの伊藤さんが教えてくれた。

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