人生を最高に謳歌する僕の復讐方法
 あれから五年が経ち、僕の視界も生活も百八十度変わった。

 大学を卒業後、企業には就職しなかった。
 高校時代に貯めた金を元手に大学在学中、仲間達と数人で小さな事務所を借りて会社を立ち上げた。
 元々、仲間達とはそんな事ができたらいいね、と将来を語り合っていたので、実現への一歩を踏み出せた時は喜びでいっぱいだった。
 仕事は厳しさと楽しさと戸惑いと、それでも時には大学で勉強するより有意義な時間で。

 当然、仲間達も卒業後は会社の一員だ。

 確かにリスクを伴うし、仲間達を巻き込んで大失敗の恐れはあったが、チャレンジしてみたいと思ったから後悔はない。
 そして卒業から一年経過の本格始動の今、これから発展途上の会社。 時に喧嘩や仲間割れをしながら、頑張る日々だ。

 後押しをしてくれているのは、母親の再婚相手である義父の存在。
 義父には面倒を掛けてばかりだ。
 父親の件では知っていて被ってくれた。責任と罪と。

 父親達の会社に行った時、義父はただその場に居ただけで何もしてはいない。
 ああいう人間達は、その場に義父のような人間がいるだけで存在感が強烈に意識の中に残る。だからこそ、だ。
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