朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「……京、……京!……け、い!」

パコッと頭を殴ってみる。

「ぃてっ⁉︎ な、なんだ?」

「お前、心の声がダダ漏れだ」

「え? 俺、喋ってた?」

「……ああ。それも長文でな」

自覚なしかよ……。

「いやな、泉の振袖姿をフィギュアとして残そうと思って。愛先生喜んでくれそうだろう?
あ、お前のはいらないよな?
リクルートスーツ姿の息子のフィギュアなんて、面白味もないだろうし……」

「いらん! やめてくれ。
お前、頭の中オタクなだけじゃなく、邪な考えでいっぱいだな……」

「よ、邪ってなんだ! 
俺はあの美しさを後世に残すというだなぁ……」

「バカか? こんな所で力説するな」

「あ、そうだった」

周りに同級生が大勢いるこの状況で、これ以上、残念御曹司ぶりを晒させるわけにはいかない。
< 106 / 517 >

この作品をシェア

pagetop