朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
私にとっては、話題になった打掛けだけでなく、どの打掛けも、白無垢も、花嫁様の夢が詰まった素晴らしい宝だと思っている。

こうやって並べていくとワクワクしてくるわ。

「ナコちゃん、そろそろお客様が来られるころね」

留袖を並べ終えた朋香さんが、声をかけてきた。

「はい。今日はお天気もいいし、予定通り沢山来られるでしょうね」

「ねえ、さっき私まで打ち上げに誘ってくださったのよ、達矢さん。
でも、明日は子供達が学校だから、19時の新幹線を取っていて……いつもお断りばかりで申し訳ないわ」

幸田朋香さんは、代々桐野屋呉服店に仕えてくれている東雲家の娘さんだ。
短大卒業後、桐野屋に入社し、結婚後お子さんが生まれるまで8年勤めてくれた。

朋香さんも小さい時から着物に慣れ親しんでいたので、知識は豊富。今はフェアや展示会の時だけの助っ人として入ってもらっている。

今日は朝から新幹線で駆けつけてくれた。
アラフォーの頼れるお姉さんだ。

「舞ちゃん達、ご主人が?」

「ええ。今日はアイススケートに連れて行って、その後回転寿司に行くって張り切ってたわ」

「いいですね!
あ、でも朋香さんも一緒に行きたかったんじゃ……」

「いいのよ。 私は大好きな着物に囲まれていたいの」

「フフフ、朋香さんも着物好きですね〜」

「子育てが一段落したら、早く復帰したいと思ってるのよ? あと2年の辛抱だわ」

朋香さんは、下の舞ちゃんがまだ小学校の4年生のため「舞が中学に入ったら復職する!」といつも言ってくれている。
桐野屋としても、朋香さんが復帰してくれるのは嬉しい。

「楽しみに待ってます!」

そしてブライダルフェアが始まった。




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