朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「城野皇輝(しろのこうき)と言います。
この度は姫依がご迷惑をおかけしました。
申し訳ありません」

突然身体を二つ折りにして頭を下げられる。

「……どうして君が?
確か、亡くなられた前社長の息子さんだったよね」

頭を上げ、達矢さんの質問に答える城野さん。

「はい。姫依の従兄になります。
今はポラリス本社の営業部におります。
先日、姫依が雑誌の撮影でハワイに行っている間に、あいつがやった事を知りました…本当に申し訳ない……」

私達と変わらない年齢と思われる城野さん。
体育会系のガッチリした体型に爽やかなお顔。
でも、疲れきった様子は少し年齢が上に見える。

「ポラリスはご存知のように、結婚式場を全国展開しています。
うちは箱なんです。
結婚式場という箱。
結婚式の場所を提供するという土台部分はこちらで用意出来ますが、中身の全てまでは用意出来ません。
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