朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
「本当ね。私が小さく産んでしまったから、無事に育つかずっと心配だったけど、ケーキにかぶりつけるくらい元気に育って良かったわ」

京の母親が言ったのは、京がなぜチビかという理由。それは予定日より2ヶ月早く、超低体重児で生まれたからだった。

小さい時はわからなかったが、大人になってから聞くと大変な事だとわかる。平均的な新生児の半分もない体重だ。小学校に入るまで小さかったのも頷ける。

「京、手のひらサイズだったもんなぁ。
大きくなったよなぁ」

切り分けたケーキを美味そうに食べる京を見ながら、まこちゃんが感慨深げに言う。

その隣では、まこちゃんの息子の優(ゆう)が同じようにケーキを食べていた。

優は俺たちより1つ年上だ。俺の従兄であり、京の従兄でもある。

俺の母親の次兄の誠と、京の父親の次姉の紫が結婚したため、俺たちは同じ従兄を持つことになった。

そのため、優と京は従兄弟というより、兄弟にしか見えなほど似ている。どちらも淡いココアブラウンの髪で、顔が真っ白だ。日本人には見えない。同じ従兄弟でも、俺とは全く違う。長谷川家の血が入ると、皆色白になるらしい。

「泉、泉は優と京、どっちがいい? 
どっちと結婚したい?」

突然、なんの脈略もなくまこちゃんが泉に尋ねた。
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