朝倉家の双子、恋をします!〜めぐり来る季節をあなたと〜
でも、泉の顔を見た瞬間、俺は自分が間違いをおかしたことに気づいた。

ひょっとして誤解してる?
『許嫁』なんているわけないこと、お前ならわかるよな? 違うのか?

その瞬間、猛烈な後悔が俺を襲った。

やっぱりここで泉が好きだと言うべきだったのか?

いや、後悔すべき点はそこじゃない。
俺はのんびりし過ぎてた。

もっともっと前に泉が好きだとちゃんと告白して、泉の気持ちをしっかり掴んでおかなくてはいけなかったのだ。

俺達の間に誰にも付け入れさせないように、俺達の関係を周囲に知らしめて……。

そう……母が高校生の時には、本当に許嫁になっていた俺の父親のように。

そうすれば、こんな展開にはならなかったんだ。
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