朝倉家の双子、恋をします！〜めぐり来る季節をあなたと〜

「宣？　『いただきます』は？」

本来なら『お祈り！』と言いたいところだろう敬虔なカトリックである母が、宣に注意を促す。

幼稚園や学校では、散々、食前食後にお祈りをしてきた。しかし、それを外でやるとどうしても目立ってしまう。
だから、せめて『いただきます』『ごちそうさま』だけは必ず口に出して言う事、というのが朝倉家のルールだった。

「いただきまーす！」

宣が真っ先に告げて、食べ出した。
私達もそれに続く。

「うっまぁー!！
このナポリタン、めちゃくちゃ美味い！」

うん。たしかに色とりどりのピーマンの香りが食欲を刺激する。その上、ナポリタンの上にのせられた温玉に、パルメザンチーズがたっぷりかかっていて、程よく溶けている。そしてスキレットに入れられているところがまた良い。映える写真が撮れそうだ。

「《カラフルピーマンのナポリタン、温玉チーズのせ》だ」

「これ、普通のナポリタンと違って、少し細めのスパゲティなのね。なんかさっぱりしてる」

「それは蒟蒻入りのスパゲティなんだ。だからカロリーも控えめだし、食感がさっぱり感じるんだと思う」