愛するあなたへ〜blue roseを私にください
【試練を乗り越えて】
家に着いて、ご飯の支度をして、翔さんの帰りを待った。
鍵の開ける音が聞こえて、玄関まで迎えに行った。

「お帰りなさい」
「ただいま」
何だか奥さんみたいで恥ずかしい。
「はぁー、癒やされる。疲れが吹き飛ぶね」
翔さんは私を抱きしめた。
「会社で意識してないと、社長室以外でも油断して抱きつきそうになるよ」
私もです、って言いたかったけど、それを言うとご飯が食べれそうにない気がした。
「翔さん、ご飯出来てますから」
「じゃあ、直ぐに行くよ」

翔さんは寝室に行き、私はキッチンに入って、盛り付けを完成させた。
「春花の手料理は嬉しいけど、平日は仕事してるんだから、無理しなくていいよ。帰りに一緒に外食したらいいから」
「はい、出来ない時は声掛けますから」
「うん、一緒に住んで疲れたら、嫌だからね。じゃあ、食べようか。いただきます」
「いただきます」

翔さんは、私が作る料理はいつも全部食べてくれる。
「翔さん、美味しくない時は、はっきり言って下さいね」
「うん、でも全部美味しいよ。春花は、ほんと料理、上手だね」
「うち、母も父を手伝ってたんで、私が料理すること多かったんで」
「そのお陰で、俺、美味しい料理食べれて幸せだよ」
美味しそうに食べてくれていた翔さんが、急に真剣な顔で話し始めた。

「実は、家から電話があってね、顔を出すように言われてね。何の用事かはわからないけど、母さんには春花を紹介したいんだ。母は優しい人だから大丈夫だよ」
「緊張します・・・」
「俺が認めた春花だ。自信持ってよ。それと、何があってもどんな時でも俺を信じて」
「・・・はい」
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