いつかキミが消えたとしても
☆☆☆

噂通り、転校生はやってきた。


ホームルーム中先生に呼ばれて教室に入ってきたその人は190センチ近くありそうな高身長に、筋肉もしっかりとついた大きな男子生徒だった。


彼が入ってきた瞬間教室内の男子たちが一斉に「おぉー」とざわめいた。


イケメンを期待していた女子たちは期待はずれだったのか、すでに興味をなくしてしまっているようだ。


「青木航です。よろしくお願いします」


その人は見た目によらず、優しげな声で挨拶をした。


へぇ、航っていう名前なんだ。


ぼんやりと黒板に書かれている文字を見つめていた舞は、一瞬彼と視線がぶつかった。


その瞬間ふわりと微笑まれて目を見開く。


驚いて周囲を確認して、また視線を戻すと航はすでに笑みを消していた。


今一瞬自分へ向けて微笑まれた気がしたけれど、気のせいだよね?


舞はまばたきをして、彼を見つめたのだった。

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