いつかキミが消えたとしても
夏休み
翌日から舞はまたお見舞いを開始した。


最初は少し緊張したけれど、英介と恵美たち3人組がついてきてくれた。


「舞がいなくても、俺1人でリハビリ頑張ったんだぞ」


そう言ってベッドの上で力こぶを作ってみせる青っち。


そのこぶしは一回り小さくなったように見えたけれど、舞は微笑んだ。


「ごめんね手伝いに来れなくて」


「仕方ないよ。家の用事だったんだから」


青っちには家の用事で来られなかったと説明しておいたのだ。


嘘をついた罪悪感はあるけれど、これから先はそれを打ち消すくらいにお見舞いにくるつもりでいた。


青っちがもういいと嘆いても、絶対に譲らない。


「そういえば学校はそろそろテストじゃないか?」


青っちの何気ない一言で舞たちは一気に現実に引き戻されてしまった。


夏休みが始まる前に一週間ほどテストが続く。


テスト期間には部活動も休みになって、みんな勉強に集中することになるのだ。


「やめてよ青っち、思い出させないで」


舞はわざとらしく両耳を塞いで見せた。


「舞、勉強見てやるよ。ここですればいい」


青っちからの提案に舞は目を見開いた。
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