死にたがり屋の少女は暴走族と・・・Ⅱ

死にたがり屋と暴走族は

【蒼弥side】


あの日から2週間後…


俺と遥輝は無事に退院した。


俺らの傷は酷かったものの運良く、血管や骨など当たったらやばいところには当たっていなかった。


その後仲間にも全てあの日起こったことを説明した。


もちろん、輝燈さん自身が。


あれから2週間が経つと言うのに未雨ちゃんと璃羽都は未だに目が覚めていない。


「蒼弥、そんな暗い顔をすんな」


「遥輝…。でも、もう2週間だぜ?」


あれから俺は毎日二人のお見舞いに来ている。


だけど一向に目を覚まさない2人。


早く目を覚ましてくれよ。


「お前らが目を覚ましてくんねぇーと俺、悲しくて泣いちゃうよ?」


と呟いた時だった。


「……勝手に…泣けば…いい」


「へぇっ?」


こんなこと俺に言うのは…


「未雨ちゃん?!起きたの?!」


俺が驚いていると


「起きちゃ…悪い?ってか、うる…さい。」


未雨ちゃんだ。こんなこと言うのはまじの未雨ちゃんだ。


俺はすぐにナースコールをし、医者を呼んだ。


そして未雨ちゃんは少しの検査をし、すぐに戻ってきた。


そんな未雨ちゃんに俺は今までのことを全て話した。


「そんな事が…。」


「全て解決したならそれでいい。蒼弥、ありがとう。」


未雨ちゃん…


「他のみんなは元気?」


「あぁ。でも、未雨ちゃんと璃羽都がいないからみんな寂しがってるよ。」


「そっか…。じゃあ璃羽都が起きたら顔出しに行かなきゃね。」


そう言って笑う未雨ちゃん。


未雨ちゃんが起きたんだ。璃羽都もすぐに起きるだろ。


俺はそう簡単に思ってた。けど、璃羽都が目を覚ますことは…起きることはなかった。

< 76 / 89 >

この作品をシェア

pagetop