【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜


「……ねえ。夕飯、食べない?」

「ああ、うん。腹減ってる」

「……じゃあちょっと待ってて」

 ずっと一緒にいたいと言われても、わたしはなんにも答えられなかった。 離婚したいと思ってるのに、こうやって必死にわたしの心を繋ぎ止めようとする夫が、惨めに見えたからだ。
 妻の心が離れていってることを、夫だってきっと分かってるからこその行動なんだと思う。



「やった。今日はクリームシチューか」

 なんて嬉しそうに言う夫の顔を、わたしはまともに見ることが出来なかった。

「美味そうだな。 俺陽花の作るクリームシチュー、大好きなんだ」

 少年のような笑顔を見せてそう言ってくる夫。いただきますと手を合わせるなり、スプーンを持って熱々のシチューを口にした。

「うん、美味い。これだこれ」
 
 夫のスプーンは手が止まることはなく、熱いと言いながらも嬉しそうに食べていた。

「陽花? 食べないのか?」
  
 シチューを前にしてスプーンを持とうとしないわたしに、夫はそうは聞いてきた。

「……ちょっと、食欲がないの」

「大丈夫か?」

 違う、悪阻で気持ち悪いのだ。
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