【完結】不倫夫との離婚計画〜3ヶ月後に離婚します〜
【千洋SIDE】




「陽花……」

 陽花が家を出てから、間もなくニ週間が経つ。いきなり家を出て行かれて、戸惑ってしまった。
 家に帰ってきたら、テーブルに置き手紙だけが残してあった。
 
 【ごめんなさい。しばらく帰りません】とのみ書いてあった。
 突然のことで驚いた俺は、家の近くなどを探したが、やはり陽花はどこにもいなかった。
 どこに行ってしまったのか、心当たりもないのだ。 今思うと俺って、陽花のこと何も知らなかったんだと、その時初めて気付いた。

 陽花に電話をしたら出てくれるが、明らかに俺を拒絶している。
 何かを言おうとすると、すぐに電話を切られてしまう。

「……俺は、どうすればいいんだ」

 離婚を前提に話を進められている今、何を言っても陽花には届かないのかもしれない。 
 陽花とずっと一緒にいたい、ただそれだけなのに。……その想いは、届かない。
 俺の気持ちばかり一方通行になってしまって、何も届かない……。

「ごめん、陽花……」

 陽花のことを愛していても、家族になりたいと思っていても、陽花の気持ちが離れていってることに気付いて悲しくなる。
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