あの日溺れた海は、
やっぱり藤堂先生が持っていったんじゃん。

それなのに嘘ついて、どういうことなんですか。

悪者だと決めつけて、こっちが悪者みたいじゃん。

先生に悪意を持っていていたことにバツの悪さを感じて、むうっと頬を膨らませた。



山崎さんが直した、と聞いた時は速攻ゴミ箱に捨てようと思っていたのに、先生がわたしに気を遣って、なのかはわからないけれど山崎さんに直すように持っていったなんて言われたら、そう簡単に捨てられなくなってしまったじゃないか。


そう思いながら机の中にしまい込むのと同時に、月が部室にやってきて、それからぞろぞろと他の部員も部室に集まってきて部活がスタートした。



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