ボトルメール

50年後のあいつへ向けて(プロローグ)

海は広い。
そんなことは誰もがわかっている。
『これを拾った人へ。これを世界のどこかにいる、川口彰という男に渡して欲しい。でも、中身は彰だけに見てほしい。』
俺は世界共通の言語である英語で、そう書いて封筒を瓶の中に入れ、海へ流した。
「本当は携帯のメールとかで送ればいいんだけど、俺はこっちの方が好きなんだわ」
これが彰の元に届くかどうかなんて誰にも分からない。いつになってもいい。必ず届けて欲しい。
そう海とこれを拾うであろう人に願った。
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