相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
新生児科医局の前で奏弥さんが腕を組んで私を待って居た。

「…奏弥さん…」

「…ちょっと来るんだ…」

私達は人気ない渡り廊下に出た。

「…遥…君がしたコトは倫理規定に反するコトだぞ…」

奏弥さんは素直に私の妊娠を喜んでくれなかった。

「…子供が欲しいと言うなら…どうして俺に相談しなかった?」

「相談しても…貴方は私さえいれば、それでいいと言うでしょ!?まともに取り合ってくれないじゃない!!」

「それは…遥のカラダをコトを考えて…俺だっていつかは・・・」

「…奏弥さんの言ういつかっていつの話?私…三十二歳になるのよ・・・」

「・・・」

「・・・体外受精は妊娠率低いけど…その低い確率の中で、私は無事に妊娠した…心音だって確認できた…」

奏弥さんは口を噤んでしまった。

「貴方が反対しても…私・・・この子を産むわ…」

「遥・・・」

「・・・私・・・仕事に戻ります…奏弥さんだって、忙しいでしょ?」

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