相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺たち兄弟を取り上げたのは院長だと知っていた。

院長の椅子に就いても、現場主義の人で今も外来診察や分娩を行っていた。

「!?」

俺の院内用のPHSが鳴り響く。

「はい、長谷川です…」

――――まだ、院長室か??

林先生だった。

「あ、はい・・・」

――――今直ぐ来いっ!!長谷川

「え、あ…はい…分かりました…でも、五分だけ待って下さい…」


――――分かった…待つのは五分だけだぞ!!


林先生との通話を切り、俺は慌ててうな重を口に運んだ。


「俺の若かりし頃を見ているようだな…優雅に飯を食う時間もなかった…」

院長は俺の慌てた様子を見て、クスクス笑った。

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