相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
梓さんと話をしていると退屈して来たのか、雅君が愚図り始める。

「…雅…どうしたの?」

「・・・そりゃ、退屈するよな…」

俺は雅君の頭を撫で、宥める。

「…雅、憶えてる?この人が私と雅の命の恩人よ…」

「憶えてないよな…雅君」

雅君は首を振った。

「憶えているのね…」

「・・・そっか…憶えてくれているのか…それは嬉しいな…」

あれは奇跡だった。

思い起こせば、あの時の俺が凄かった…

「じゃそろそろ…雅樹さんの元に行きます…」

「高屋さんも貴方と雅君の存在が励みになると思いますよ…頑張って下さい」

「はい、槇村先生も…」


「えぇ」

俺は梓さんと雅君に手を振った。



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