相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
奏弥さんの手によって私の子宮頚管にラミナリアが挿入されていく。

「痛かったら言えよ…遥」

「大丈夫…ロキソニン飲んでるから…」

「…そっか・・・」

処置を終え、病室に戻った私に上村さんがカイロとひざ掛けを持って来てくれた。

「これ…カラダ冷やしたら、痛みが出るかもしれないから…槇村先生に持って行ってくれと頼まれたの…」


「ありがとう…」

「・・・痛みはないの?」

「うん・・・」

カラダの痛みよりも心が痛い。

最愛の人に中絶手術させるなんて…私は酷い女だ。

私は上村さんの前で大泣きした。

「遥先生…」

「ゴメン…私が全部悪いのに…」

「・・・遥先生・・・」

上村さんは私の頭を優しく撫で、寄り添ってくれた。

「・・・どんな言葉をかけてあげていいのか…正直…分からない・・・でも・・・遥先生も槇村先生も十分頑張ったと思う。赤ちゃんの為に尽くしたと思う…」







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