相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
身勝手かもしれない。
奏弥さんに責められて初めて思った。

「でも、自分の本心を隠して、結婚生活を続けていくのは辛くないの?」

「…君が居ればいいと言ってんだ…それが俺の本心だ!!」

「貴方は嘘を言っている…」

「…我が子を始末した俺のキモチが分からないのか!!遥の愛は何処にあるんだ?いいか?俺の傷を癒せるのは遥だけだ・・・遥の傷を癒せるのは俺だけだ…」

「奏弥…さん」

「・・・これは持って帰るのか?」

彼はテーブルの上にあった本を手にした。

「うん・・・」

私は奏弥さんの子だからこそ、産みたいと思った。
彼以外の子を産み気はない。

「これは?」

「持って帰る…」

「奏弥さん…ゴメン・・・」

「遥のゴメンは訊き飽きた・・・」

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