相思相愛マリアージュ(後)~君さえいればそれでいい、二人に家族計画は不要です~
俺は辻教授に一礼して、廊下に出た。
何故、あの場面で遥の名前が出たのか不思議に思っていた。

風邪を引いているぐらいで二ヵ月前と遥の様子に変わりはない。

産婦人科医局に戻り、自分のデスクの椅子に腰を下ろした。

「土産は適当に配っておきましたよ。槇村先生」

「ありがとう御座います。杉村先生」

「…じゃ俺はちょっとナーススーテションに行って、お土産を渡して来ます」

「あ、そう…ところで…辻教授から遥先生のコト訊いた?」

「!?何も訊いてないけど…」

「そう…なら、いいよ…」

辻教授といい、杉村先生といい、どうして遥の名前が出て来るんだ?

俺は首を傾げながら、医局を出て、産婦人科病棟のナーススーテションにお土産のバタークランチをチョコでコーディングしたお菓子を持って行った。

「槇村先生・・・」

看護師長の沼田さんにお土産を渡した。

「ニューヨークのお土産です…どうぞ」

「ありがとう御座います。槇村先生」



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