すみません、わかりません
目を覚ますと、そこは保護室だった。なぜそこが精神科病棟の保護室だと思ったのかというと、窓がなく扉に引っ掛かるところもなく、カメラがあり、おまけに自分は病人用の浴衣を着せられベッドに拘束されているからだった。
見上げるとそこには画面がある。最近流行りのAI搭載の病室だった。
機械音声があたしに話しかけた。
「私はAI心理カウンセラー、キュア。田中ゆき、さん。なんでも、話しかけてね。気分は、どうですか?」
ここ2〜3年のことだったが、カウンセリングはAIが主流になっていた。
頭が痛い。あたしは自分の名前は覚えていたが、ここに来るまでの記憶どころか、これまでの記憶が曖昧だった。
「はぁ……」あたしが気の抜けた返事をすると、
「なにか、覚えていることを、話して」とAIは返事をした。
見上げるとそこには画面がある。最近流行りのAI搭載の病室だった。
機械音声があたしに話しかけた。
「私はAI心理カウンセラー、キュア。田中ゆき、さん。なんでも、話しかけてね。気分は、どうですか?」
ここ2〜3年のことだったが、カウンセリングはAIが主流になっていた。
頭が痛い。あたしは自分の名前は覚えていたが、ここに来るまでの記憶どころか、これまでの記憶が曖昧だった。
「はぁ……」あたしが気の抜けた返事をすると、
「なにか、覚えていることを、話して」とAIは返事をした。