天才脳外科医の愛が溢れて――もう、拒めない~独占欲に火がついて、とろとろに愛されました~
「それはいくらなんでも若すぎですよ」
私が真顔で言ったら、彼はハハッと笑った。
「まあ、十歳でこんなセクシーでかわいい女の子いないですよね」
「セクシーって……」
思わず絶句する私を見て、長野先生は楽しげに目を光らせる。
「氷室先生に愛されてるから、茉莉花ちゃんすっごく綺麗になりましたよ。もう色気が溢れて……ああ!すみません」
急に長野先生が怯えた顔をして謝るので首を傾げたら、背後から樹の声がした。
「そういう変な目でうちの茉莉花を見ないように」
振り返ると私の背後に樹がいて、どこかダークな笑みを浮かべている。
もう完全に一緒に住んでいて身内のような存在になったせいか、彼は今私のことを『茉莉花』と呼んでいる。
お互いの家族にも紹介済みで、樹の実家に泊まりに行くことも珍しくない。
「は、はい。すみません。あの……でも、一般的な意見で。香織さんもそう思いますよね」
あたふたしながら長野先生は香織さんに助けを求めた。
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