強情♀と仮面♂の曖昧な関係
「ほら、帰るぞ」
「え、お開き?」
まだみんな騒いでいるのに。

「明日も勤務だろ?」
「まあね」
この辺が潮時かも。

「あーあ、また馬鹿騒ぎ」
夏美が呆れてる。

いくら貸し切りとは言え、ここまでの大騒ぎで店の人は迷惑そう。
真面目な良太が、1人ペコペコしてる。

「さー、二次会行くぞ」
声が上がり、店の外にはすでに女の子の姿が。

ああ、よく見ると病院のスタッフ。
みんなすごくおしゃれしてる。

「次行くぞ」
何人かが声をかけて回っている。

確かに医者の飲み会なんて、男性比率が異常に高い。
それに、強い女が多いし。
普通の女の子呼んだ方が楽しいものね。

「紅羽は次行くの?」
女子だけの二次会を企画しているらしい夏美が、聞いてくれたけれど、
「ごめん、帰るわ」
「分った、また明日ね」
バイバイと手を振った。


外に出ると、すでに女の子の肩に手をかけている男子たち。

「あれ、彩香ちゃん。今日はかわいいね」
酒のせいでスキンシップもエスカレート気味。

「お前達、調子に乗るな。セクハラだぞ」
良太が1人で怒ってた。
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