S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う
そうだったらうれしいが、たぶん、いや絶対に朋久はそうではない。
「ヤキモチじゃない。俺は菜乃の保護者も同然。危険と判断した男を近づけるわけにはいかないだけだ」
常日頃から菜乃花は朋久にひとりの女性として扱ってもらえていない。八歳も離れていれば当然かもしれないが、そうだとわかっていても落ち込む。
「保護者? それはどうかな。それに俺が危険って、こんなに健全な男はほかにいないぞ?なぁ菜乃花ちゃん」
「そうですね」
笑って返しつつ朋久を見たら、雅史の言葉なんてまるで耳に届いていない素振りでコーヒーに口をつけた。
「それじゃ朋くん、私はそろそろ帰るね。お墓参り、付き合ってくれてありがとう」
食べ終えた皿とカップを端のほうに寄せ、バッグを持って立ち上がる。朋久は雅史との約束が入っていたため菜乃花はひと足先に退散だ。
「送ってやれなくて悪いな。ひとりで平気か?」
「大丈夫」