S系敏腕弁護士は、偽装妻と熱情を交わし合う

「珍しくしおらしい」
「なっ、そんなふうに言うならがんばらないよ?」
「いいよ。菜乃花のほうからしたくなるように仕向けるから」
「仕向けるって……!」


あれこれと妄想に花が開きそうになるが、なにしろ菜乃花は経験が乏しいため想像のネタがない。


「とりあえず食べよう」
「な、なにを?」
「なにって、朝食以外にあるか?」
「あ、そか。そうだね。い、いただきます」


てっきり菜乃花を食べるのかと身構えたら、朋久がクククと笑う。


「菜乃は今夜のメインディッシュだ。楽しみにしてる」


耳元で甘く囁かれ、菜乃花は胸が大きく高鳴るのを止められなかった。

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