あお
想い
依子ちゃんは途中で立ち止まり、振り向いて、

「私に悪いなんて思わないで、2人とも自分の気持ちに素直になりなよ!」

そう言って、依子ちゃんは走って行った。

「いいやつだな、あいつ…」

「うん…」

健藏さんと2人きりになってしまった。

「…じゃ、私も行くわ。うちまでの便はもうないからビジネスホテルでも探さなきゃ」

「…久しぶりに会ったんだし、もうちょっと話そうや」

「え…」

私達は思い出のあの場所に行った。
3年前最後に見た日のように、星が輝いていた。

「もうすぐ春だけど、やっぱまだ寒いな」

「うん…。…ここは変わってないね」

「ああ」

「…………」

しばらく私達は何も話さずに、星空を見上げていた。

「…舞子、ひとりでよく頑張ったよな。出会った頃は弱そうなやつって思ってたけど」

「…つらくて、健藏さんや依子ちゃんに慰めてもらいたくてもう帰っちゃおうかって何度も思ったよ。けどそれじゃまた甘えてしまう…って、歯くいしばって2、3本折れちゃったよ…」

「…マジで!?」

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