情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る~新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます~
『はい、ありがとうございます。僕、藍花さんには仕事以外のことも相談したいです。だから…』


私を見つめながら言いかけたその時、男性看護師が歩夢君を呼びにきた。


『すみません…じゃあ行きます。いろいろ聞いてくれてありがとうございました』


歩夢君は私に頭を下げて、走って病棟に戻った。


何か言いたそうだったけど、悩みがあるのかも知れないな…


伯母さんである中川師長やお母さんには出来ない相談なのかな…


私は、歩夢君の「患者さんに心から寄り添える看護師」っていう言葉がすごく印象に残った。


心から…って、簡単なようで難しいと思う。


でも、歩夢君はまだ新人1年目なのに、それがもう出来てる気がする。


私は白川先生に注意されるくらいなのに、歩夢君は…本当に優しい笑顔で患者さんを癒してる。


すごいよ。


先輩としては情けないけど、本当にちゃんと見習わなきゃね。


私は自分に気合いを入れながら、その場所から歩き出した。
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