情熱的なあなたに抱かれ私は甘い夢を見る～新人看護師は無敵な外科医にしつけられてます～

もうどんな会話をしたのか記憶が無くなるくらいドキドキしてたけど、気づいたら私、蒼真さんの部屋に行くことを…了承してしまってた。


『いい子だ』


蒼真さんは少し戻って、私の頭を2回ポンポンしてから、優しく微笑んで立ち去った。


足音も消え、1人取り残されたその場所は、また水を打ったように静まり返った。


『私…蒼真さんのためにご飯を作りにマンションに行くの？本当に部屋に入っちゃうの？2人きりになるの？』


口に出して頭を整理したかったけど、到底、現実のことだなんて信じられなくて。


私は、もう一度窓に近づいて外のキラキラした世界を見た。


気持ち、落ち着け…


お願いだから落ち着いて。


蒼真さんが私を女として見てるわけないんだから…きっと、ご飯を作ってくれるお手伝いさんか何かみたいに思ってるんだよ。


うん、そうだよ、何も考えずに気楽にいればいいんだよ。


私は窓に向かって深く息を吸い込み、そして…ゆっくりと吐いた。


一部分、白く曇った窓ガラスに指で書く。


「大丈夫」って…