グレーな彼女と僕のブルー
あたしの従兄弟である坂下 恭介くんは、入学当初からこうして密かにモテている。多分本人の耳には入っていないはずだ。
というのも、こっそりときゃあきゃあ言われるだけで誰も本人には近寄っていないからだ。今のところ、男女ともに、恭ちゃんに告白をする輩は見ていない。あくまであたし個人の調べによると、だが。
四月。新一年生として同じ高校に通うことになった恭ちゃんを、数年ぶりに目にしたとき、胸が大きく高鳴った。
まず何と言っても、顔がタイプだ。これは声を大にして言いたい。
恭ちゃんの顔は両親のいいところを全部もらったように、整っていた。
ぱっちり二重でまつ毛の長い大きな目と上がった口角は美弥子さんで、形の良い鼻と唇、尖った顎は亡くなったお父さんを想起させた。
恭ちゃんのお父さんは幼いころに一度しか会ったことがないけれど、童顔で爽やかな印象だった。
高校生になった恭ちゃんは背も高くなり、かっこよくなっていた。
それだからこそ、恭ちゃんへの黄色い声を聞くたびにあたしは焦る。
早く恭ちゃんにあたしの存在を知ってもらわなければと。
というのも、こっそりときゃあきゃあ言われるだけで誰も本人には近寄っていないからだ。今のところ、男女ともに、恭ちゃんに告白をする輩は見ていない。あくまであたし個人の調べによると、だが。
四月。新一年生として同じ高校に通うことになった恭ちゃんを、数年ぶりに目にしたとき、胸が大きく高鳴った。
まず何と言っても、顔がタイプだ。これは声を大にして言いたい。
恭ちゃんの顔は両親のいいところを全部もらったように、整っていた。
ぱっちり二重でまつ毛の長い大きな目と上がった口角は美弥子さんで、形の良い鼻と唇、尖った顎は亡くなったお父さんを想起させた。
恭ちゃんのお父さんは幼いころに一度しか会ったことがないけれど、童顔で爽やかな印象だった。
高校生になった恭ちゃんは背も高くなり、かっこよくなっていた。
それだからこそ、恭ちゃんへの黄色い声を聞くたびにあたしは焦る。
早く恭ちゃんにあたしの存在を知ってもらわなければと。