タツナミソウ
めぐみは、顎に人差し指と親指を当てて、左上の方を向いて少し考えて口を開いた。

「うーん。脈が、全くないわけではないと思うけどな。ていうか、むしろあると思う。うん。」

「どこが?だっていっつもさ!宿題とかの話だけだよ?」

少し食い気味にビックリマークが付いているのがわかるくらいに言った。

「いや、だって!そんなの誰にだって聞ける事をね、幸子にわざわざ聞くってさ!そうでもして!メールしたいって事じゃない?」

めぐみも食い気味に、私に顔を近づけてきて人差し指をピンと立てて言った。

たしかに、、。そう納得してしまった。
でも、もしそれで違ったら嫌だし、自意識過剰だし、気持ち悪いかもしれないし。と考え始めるとキリがなかった。

左の下唇を噛んで下を向いている私を見て、めぐみがため息をつき続けて言った。

「あんさ、家が隣の幼馴染の私から見るとね?亮太が女子と話してる所なんてほとんど見た事ないのね?」

うん。たしかに。

「私は昔っから、男兄弟みたいな感じで話してるからさ、カウントされないんだけど。私から見ても、なくはないと思うんだよね?」

ん〜。そうなのかな。

「てか、明日、ホワイトデーじゃん?それきっかけに距離縮めなよ!」

えー。ちゃんと話せるかな。というかお返しって貰えるのかな?

「てかさ。あんたさっきから、無言で百面相するのやめてよ!話しづらいわ!」

「あ、ごめんね笑 ありがとね、相談乗ってくれて。」

私がそう言うと、「よし!じゃあ続きするよ。」と、私の背中をバシッと1発叩いてめぐみが立ち上がった。
「うん。」と言い、続けて私も立ち上がり、2人でまたバレーボール風を始めた。
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