恋の誘導尋問~恋に不器用な先輩に捕われたい~
「俊哉さんったら、寝ぼけてるみたい。朝からなにを言ってるのやら」

 くすくす笑って寝乱れているであろう俺の髪に手をやり、優しく梳いてくれた。

「だって毎晩シていたのに、寂しくさせたかと思って」

 目の前にある細い体に抱きつき、胸元に顔を押しつけて柔らかさを堪能する。笑美の優しい香りが鼻をくすぐり、眠たさに拍車をかけた。

「あっ、ダメ! そんなことしてる場合じゃないのに」

 俺の肩に手をやり、引き離そうとする笑美の腕の力を無力化すべく、腰に巻きつけた片腕をそっと移動させて、スカートをたくし上げた。指先が太ももの上部に触れかけた瞬間、両頬をめいっぱい抓られる。

「俊哉さん、朝から卑猥なことしないで。時計見てください、遅れちゃいます!」

 両頬を抓った顔を無理やり壁掛け時計に向けられる夫の姿は、かなりシュールであろう。しかしここで負けるのも悔しかったので、ショーツ越しに柔らかなお尻に触れると、さらに頬の肉を引っ張られてしまった。

「俊哉さんの俊哉さんがとっても元気なことはわかってるから、昨晩の分も含めて今晩かまってあげます。それよりもさっさと朝の支度をしないと!」

「はい……」

 今夜の約束を取りつけた以上、俺は笑美の言うことを聞かなければならなかった。残業しないように、今日も頑張らないといけないなトホホ……。
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