振られたはずなのに王女の婚約者が元彼だなんて
「サウスマルケリアは君との離縁を提案するだろうな。 そして俺達を返して欲しがる」

「もちろん誕生した子には我が国の権利は与えられません。 それでも婿だった貴方の子としての価値は少なからずあると考えるはずです」

 ノーラがもしもサウスマルケリアの王と血の繋がりがなければ、ね。

「だがそれでは君はどうなる?」

「貴方とノーラについては何のお咎めもないでしょうし、二国間での問題もとりあえず少ないかと思います」

「そうするしか、ないのか……?」

「せいぜい婚姻から一年程は待って頂く必要はあるかと思いますが、それまでに彼女と愛を育んで下されば結構ですよ」

「君は王女なんだな……」

「当然です。 生まれた時から王女ですから」

「俺にとってはあさみ以外ではないよ」
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