嘘カノでも幸せになれますか

咲希がどうしてそんなことを言ってからスマホを渡してくれたのか分からなかったけど、とりあえず通話が繋がっているスマホを持って廊下に出た。


「えっと、本多です。どなたですか?」

『宮野だけど』

「ん? 宮野、さん?」

『お前からラブレター貰ったんだけど。電話しろって書いたよな?』

「え?み、やの? ・・・えーーっ! 暖先輩ですか??」

私は自分が思った以上に大声で叫んでいたみたい。

お昼休みの教室には何人も生徒がいて、一斉に振り向かれてしまった。

『お前、今日の放課後暇? ちょっと付き合って欲しいんだけど。帰りに昇降口で待ってるから。来いよな』

「ちょっ、暖先輩!」

有無を言わさず通話は一方的に切られ、私、何かに付き合うことになってしまったのかな。
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