嘘カノでも幸せになれますか

「おい、学校まで走るぞ。走ればギリ間に合うだろ。ほら」

ダンがほらって言って私の右手を掴み、走り出した。

「えっ? 走るの? むっ、無理。体力が。それに、手!! 繋いでるから」

「んあ? 手? 昨日だって繋いだだろ。何を今さら言ってんだよ。早く行くぞ」

「昨日、手なんて繋いでません。恥ずかしいから離して! ダン」

昨日手を繋いだことなんて覚えていないし。

繋がれた手も熱いけど、顔も熱い。

どうしよう、ドキドキが止まらない。

学校までの道を二人で走って、数人の生徒たちを抜かして、学校に着いたときは予鈴5分前で。
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