闇夜ヨルの恐怖記録 4

カメラ

それから2人は本当に毎日マヤちゃんの家に行くようになった。


枕元に座ってマヤちゃんの大好きな小説を読む。


時々マヤちゃんの母親に教わった手足のマッサージもしてあげた。


マヤちゃんの肌はとても白く、筋力の落ちた体は小学生低学年のように細い。


その体が少しでも同年代の子供たちに近づくように、2人とも懸命になった。


気がついたら2人が汗びっしょりになるくらいマッサージを続けていたこともある。


「こんにちは」


日曜日には昼ご飯を食べたらすぐに2人は合流してマヤちゃんの家にやってきた。


「こんなに早くありがとうね。あなたたちも少しは遊びに行かなきゃいけないのに」


「大丈夫です」


ユキコは答えながらなれた様子で玄関を上がる。


「今日はマヤちゃんと3人で写真を撮らせてもらいたいんですけど、いいですか?」


マヤちゃんの部屋へ向かいながらそう聞くと、母親は快く承諾してくれた。


寝たきりでいても3人での思い出が欲しいと思ったのだ。


そしてマヤちゃんが起きた時にその写真を見せてあげるんだ。


こうして毎日顔を見に来ていたよと言えば、きっと喜んでくれる。


ユキコはカメラの入ったカバンを部屋の隅において、昨日途中まで読んでいた本を手にマヤちゃんのベッドの横に座った。
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