私達は結婚したのでもう手遅れです!
「待ってください。玄馬さんに指輪を捨てられてしまって……」

慌てて縁側から庭に降りて、指輪を拾って戻ると泥で汚れた足をおじいちゃんは笑った。

「自分が汚れても構わないくらいそれが大事か」

「はい。前も言いましたけど。結婚指輪ですから」

「うちの孫に勝ち目はないようだ」

おじいちゃんはそう言うとしっかりとした足取りで玄関の方へと向かった。
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