私達は結婚したのでもう手遅れです!
雪可は嬉しそうにうなずいた。
紙袋に入っていたのは煮干し。

「これで、味噌汁を作りますね」

「ああ」

わかってくれるだろうと思っていた。
雪可なら―――

「でも、もう一袋ありますね?」

ドキッとした。
それがバレてしまうのもやはり付き合いが長いせいか。

「いや、それは」

「私が大事なのか、あの子が大事なのかわかりませんね」

じろりとにらまれてしまった。

「そろそろ店が忙しくなるな。お前のマンションで待っている」

「あなたにはいつも私以外に大事な人がいるんですからね」

「女はお前だけだ」

「またうまいこと言って」

なぜだ。
プロポーズがうまくいったのに雪可は不貞腐れてしまった。
首をかしげながら、店を出た。
女の扱いはやはり難しい。
冬悟さんですら、羽花さんに手を焼いているのを考えると仕方のないことなのだろうか。
近くにある雪可のマンションへ歩いて向かう。
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