私達は結婚したのでもう手遅れです!
第9話 二人
朝―――ぼうっとしながら起き上がった。
私の朝は早い。
父や職人さん達があんこを早い時間から炊き始めるから、いつの間にか私も早起きになってしまった。
朝食の賄いを作るのは私の仕事だった。
カーテンの隙間から差し込むのは薄暗い光だけ。
眠い目をこすり、そっとベッドから抜け出した。
さすがにこのパジャマは恥ずかしいし、クローゼットルームでなにかないか探していると私が好きそうなリネンワンピースが見つかり、それにエプロンをしてスカーフを三角巾かわりにした。

「うん。これでいいわね」

いそいそとキッチンに入ると冷蔵庫にはトマトとレタス、卵やハム、チーズなどの一般的な食材が入っていたその時―――

羽花(うか)さん早いですね」

「えっ!?あれっ?」

リビングから冬悟(とうご)さんが現れた。
起きてたの?
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