愛して、芹沢さん
「やっぱり無理だったんですよ。わたしが芹沢さんの彼女になるなんて……無理、だった…」


「莉央ちゃん…?それは違う」


「違うくないっ。だって芹沢さん…わたしに謝ってばっかり…。わたし、芹沢さんの謝る姿はもう見たくないんです…つらいんですっ」


「……莉央ちゃん…」


「あの日…芹沢さんと出会って好きになって…色々あったけど、すごく幸せでした。わたしの全ては芹沢さんで…これからどうしたらいいのかわからないけど……芹沢さんのそばにはもういられません」


「待って…。それって僕と別れるってこと?」





芹沢さんの瞳が揺れている。




違う、そう言ってほしそうな瞳で見てくる。


でも、違うくない。




「別れます」



そう笑顔を向けた。




芹沢さんは黙ったまま。



「あの、これ…」



と芹沢さんの前に封筒を差し出す。




「これ何?」
< 272 / 483 >

この作品をシェア

pagetop