ひととせと、マタタビ



初めて、柊璃くんのおっきな背中に手を回す。







ぎゅってしたいって言ってたもんね、とおどけて言った柊璃くんに体が固まる。







「…聞いてたの?」



「ばっちり」






恥ずかしいやら、嬉しいやら。自分でも今どんな感情なのかわからない。





わかるのは、柊璃くんも私と同じような気持ちなんだろうなってこと。










「明日土曜だし、食欲の秋だし……部活終わったらデートしませんか」




「うんする!」


< 55 / 77 >

この作品をシェア

pagetop