Stargazer
「さいだん座を構成する星も、星言葉すら知らないけど、何となく予想できそう」

そんなことを話しながら、あたしたちはモール内のエレベーターに乗り込む。エレベーターに乗っているのはあたしたちだけだ。

扉が閉まり、エレベーターがゆっくりと動き出す。そして数秒後、ガタンと音を立てて急にエレベーターが止まった。うるさいくらいの警告音が鳴り響く。

「何!?」

驚いてしまうあたしに対し、亮太は肩を掴んで「動かないでジッとしてて」と言う。そして、エレベーターを吊り上げるロープがある天井の蓋をかばんを台にして開けた。そして、天井裏から何か紙袋を取り出す。どうしてそんなことろに紙袋が?

「理沙、落ち着いて聞いてくれ。……これは爆弾だ」

「は?」

あたしが近付くと、袋の中にあったのは亮太の言う通り爆弾だった。タイマーが作動しており、あと十五分ほどで爆発してしまう。

「多分エレベーターが止まったのは、小型の、このエレベーターを止めるしか威力がない爆弾を仕掛けてあったからだと思う」

そう言いながら、亮太は爆弾をそっと床に降ろし、かばんの中から何やら工具を取り出し始めた。いやいや、あんた何でそんなもの持ってんのよ。
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