Stargazer
ボンド中佐の言葉に、目の前がぼやけていく。頬に温かいものが伝っていって、初めて泣いているのだとわかった。

男として生きることを強制されたから、恋愛なんてできるはずがなかった。男になってしまった自分に、愛を囁いてくれる人などいなかった。それでも、ボンド中佐だけは、本当の私を見つけ出してくれたんだ。

私は泣きながら無言で頷く。ボンド中佐は優しく抱き締めてくれた。その腕の中で、何年ぶりになるかわからないほど泣いた。

彼の優しさがただ愛しい。彼がいれば、犯してしまった罪ときちんと向き合える気がする。

冬の戦場の星は、今日もとても美しい。




タウ・ケーティ(くじら座のτ星)の星言葉
「強さと優しさの共存」
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